ドッグレスキューしおんの会🐕   

北海道の浜中町内で野犬が産んだ仔犬が野生化しないよう保護し、飼い主になってくださるご家族へ譲渡するボランティア活動をしています。

三郎、お母さんは元気だよ

5年前に譲渡した三郎と五郎兄弟の飼い主Oさんのご主人が脳梗塞で倒れ
自身も病気で入院し三郎の世話が出来なくなったので
引き取ってほしいと前日に電話があり
9日、Oさんに会ってきました

釧路の病院に入院されている
Oさんと5年ぶりにお会いしましたが、
ずいぶんと痩せてしまわれ

「最後まで責任を果たせずにすみません」と
私を見たとたんに謝りました

5年前の10月
まだへその緒がついた赤ちゃん犬6匹を保護した時

釧路新聞で預かりボランティアさんを募集したところ
すぐにOさんが連絡を下さり
三郎と五郎を預かってくれました

その後そのまま飼い主さんになって下さいましたが
五郎は残念なことに今年1月に病気で亡くなり
Oさんご夫婦も病に……

Oさんが10月に入院してからは
友人が通って三郎の世話をして下っているそうで
病院の帰りにOさんのお家に行くと
塀で囲まれた庭の中に三郎がいました

扉を開けて私が入って行くと
三郎は玄関フードの中に逃げ込み唸りながら吠えました

私は見知らぬ侵入者
三郎はしっかりと留守を守り
Oさんが帰って来るのを待っているのでしょう

馴れるまで2時間くらいかかりましたが
どこを触っても大丈夫になり
撫でて、撫でてとすり寄って来ました

車に乗せて帰る前に
三郎が住み慣れた町をゆっくり散歩し戻ると
車のそばに女性が立っていました

その女性を見たとたん
三郎がしっぽをブンブン振って大喜び♪♪

その方は三郎のご近所の方で
三郎のことが気になり
ときどき様子を見に来ていたそうで
三郎を車に乗せてくれて

「幸せになるんだよ」
といつまでも見送って下さいました

最後までOさんと一緒に居れなかった三郎
Oさんが入院して寂しかったね
三郎には可哀想な思いをさせてしまいましたが

5年前、赤ちゃん犬の預かりさんが見つからず困った時に助けて頂き
Oさんには心から感謝しております

Oさんは不治の病とおっしゃっていましたが
「三郎に伝えることはないですか?」とお尋ねすると

「お母さんは元気だよと言って下さい」
と私の手を握り涙をこぼされました

「三郎のことは安心して下さいね」
とお応えし病室を出ましたが
まだ何か言いたげなOさんの眼差しが忘れられません

三郎、幸せになろうね
三郎のお母さんの願いだよ


代表*福澤


写真〜車の中の三郎