ドッグレスキューしおんの会🐕   

北海道の浜中町内で野犬が産んだ仔犬が野生化しないよう保護し、飼い主になってくださるご家族へ譲渡するボランティア活動をしています。

釧路新聞『巷論』に

釧路新聞に依頼されコラムを書いています
今回は、桃の事を書きましたので掲載いたします


昨年12月に保護した桃は、厚岸町の元農家の敷地内で生まれた野犬の子です。
Aさんが捕獲し、そのまま世話をしてくれていますが、月に数度、けいれんの発作を起こして倒れ、てんかんの病気を持っている事が分かり毎日薬を飲んでいます。

桃のことを一番理解し、幸せを願っているAさんは、桃を飼ってあげたいと思っても、子供たちの教育費と桃の病院代の負担が大きく、切ない思いを抱いていました。

「子供たちが学校を卒業する5年後には、飼い主になれるけど、今は飼い主になってやれなくて……。桃にすまなくて……」と涙をこぼすAさん。
桃がAさんの家族になれる方法はないだろうか、思案をしていたところ、Aさんが飼い主になれるまでの5年間、桃の病院代や一切の飼育費用を支援したいと申し出て下さる方が現れたのです!

その方は道内の方ですが、公には名前を明かさないでほしいとのご希望により、「あしながピーチさん」と呼ばせて頂く事にしました。
あしながピーチさんのおかげで、桃はこれまで同様にAさんの家で暮らし、5年後、正式に譲渡する事となりました。

桃が病気を持っていると分かった時、「元の場所に戻した方がいい」と言う人もいたそうですが、「人間も犬も病気になったら回りのサポートが大事だと私は思います。」とAさんが仰っていました。

桃が激しい発作で倒れた時は、体中がオシッコやウンチまみれになるそうですが、Aさんは嫌な顔は一つもせず、わが子のように大切に育てて下さっています。
もし、Aさんに保護されなかったら、発作で倒れたまま、桃は凍死していたでしょう。

いつ発作に襲われるか分からない大変な病気を抱えていますが、あしながピーチさんのおかげで、大好きな人たちと一緒に暮らせることになった桃。
しおんの会の活動を始めてもう少しで11年になりますが、「神様がいて下さる」と心から思える時があります。


写真…左からランくん、桃、草介