その子は畑の番犬として飼われています
飼い主は町に住みその子は町はずれの畑の一角に繋がれています
首輪は太い鎖、犬小屋もありませんでした
ひとりぼっちでいるその子は人が大好きです
人がそばに居ると嬉しくて仕方ありません
ときどき車でそこを通る一人の女性がその子に手を差し伸べました
気難しそうな飼い主に根気よく言葉をかけ鎖の首輪を革の首輪に変えてあげ
木の犬小屋も置きましたが噛んで壊してしまったそうです
次は噛んでも壊れない犬小屋を用意し今はおとなしく入っています
嵐の日、女性は飼い主に頼みその子を家に泊めてあげました
人のそばで初めて過ごす夜
どんなに嬉しく安心したことでしょう
飼い主に女性はその子を譲ってほしいとお願いしましたが番犬だからと断られたそうです
もし、女性がその子を譲ってもらったとしても飼い主はまた違う犬を番犬におくでしょう
繋いだまま散歩はしないがごはんはきちんとあげている
それで飼い主の役目は果たしていると思っている
犬にとって可哀想な飼い方をしているとは微塵も思っていないのです
できるならその子をさらって、たくさん愛してくれる家族を探してあげたい……
先日、その子と散歩をしていた女性を見かけしおんのドッグランに誘いました
「わぁー、うれしい!きっと喜びます」
さっそく女性はその子を連れて遊びに来てくれてメンバーYさん愛犬レディーと保護犬テレサと一緒の写真を送ってくれました
今、私たちがその子に出来る事はひとときでも楽しく過ごさせてあげる事
女性が手を差し伸べた日からその子の未来が幸せになる事を信じて……
写真…テレサ(左)とレディー
5月11日 代表*福澤