11月2日〜4日、釧路文化センターや釧路公立大学を会場に趣向をこらしたさまざまな講座やイベントが開催されるエンジン01in釧路
講師は文化人や芸術家
スポーツ選手などさまざまな分野で活躍する著名人です
講座の一つ『われら動物愛護委員会』の講師をつとめて下さる湯川れい子さん(音楽評論・作詞家)の手記を紹介いたします
『私は猫オバサン』
TVのニュースなどで、内戦や空爆で燃えたり破壊されている町が映ると、この町に居る犬や猫はどうしているのだろ……と、つい考えてしまう。
30年くらい前、初めて中国に行った時、北京のマーケットで、ムクムクの白い子犬を掴むように手に持った男が近寄って来て、「この犬を買わないか?」と言う。
「あんたが買わなきゃ、こいつは今夜にも食われてしまうんだよ」と言われて、本当に切なかった。
世界のあちこちで、犬や猫を見て来た。インドでは犬が飼い主を選んで、勝手にその家の店番をして、客が入って来ると吠えては店主に教えたりして、餌を貰って路上でのびのびと楽しそうに暮らしていた。
ギリシャの港町では、魚市場やレストランの残飯を貰って、猫たちが群れをなして路地裏に住んでいるのを見た。
また、ハワイのダイヤモンド・ヘッドの近くで訪ねた豪華な家では、吠えると隣り近所に迷惑だからと、手術で声帯を取られた小型犬たちが、飼い主から子供のように可愛がられながらも、不気味な静けさで遊んでいたし、コロラドの知人の家では、家具に傷をつけるから……と、これも手術で爪を取られてしまった猫たちを見たことがある。
そんな犬や猫たちには、どう言葉をかけていいか解らなくて、胸が苦しかった。
戦争中も含めて、子供の頃から犬や猫がいて当たり前だったから、私は特に愛犬家とか愛猫家というのでは無いけれど、いつか気がついたら、ワケありの猫を沢山引き取って飼っている猫オバサンになってしまっていた。
20年くらい前までは、もっぱら犬だったのに、いつか猫専になったのは、朝晩の散歩に付き合い切れなくなったという、体力的な問題と、仕事の時間が不規則で、犬に迷惑がかかると考えたからだ。
国や社会が貧しければ、犬や猫もそれなりに影響を受けるけれど、本当に心が癒されるような、幸せな犬や猫の姿というのは、経済的な貧しさとは関係が無いように思う。
その社会が、無抵抗な、抵抗する力を持たない小さな命と、どう向き合っているかという、精神的な豊かさというか、社会の成熟度によるところが大きいのではないだろうか。
世界の平均値から見て、日本は素晴らしい国だと思う。何よりも平和だし、犬や猫が人間に食べられる心配は、まず無いのだから。
そして最近は東京オリンピックまでに、犬猫の殺処分ゼロという機運が盛り上がりを見せて来たし、川崎市のように殺処分施設を作らないという愛護センターも出てきた。
あとは飼い犬や飼い猫にマイクロチップの装着を義務づけるようにして、天災被害などが起きた時、飼い主を探せるようにすること、また人間との望ましい関係が築きやすいと言われる、生後8週間を経過した子犬を譲渡すること、先進国として、犬の売り買いにはもっと慎重に、悪質なブリーダーを排除できる法整備をすること、などなど、行数や社会に訴えて行くことはいろいろとあると思う。
犬や猫が、安全に生きていられる社会は、人間の子供も幸福に安心して生きられる社会であり、国家なのだ。
そういう意味からも、私は日本が動物愛護先進国のトップを目ざすお手伝いが出来たらと、心から思っている。
『われら動物愛護委員会』
11月3日(土)3時限14:15〜15:30 定員50名
私もゲストとして参加いたします
まだ空きがあるとの事ですので、お時間のある方は来て下さいね(^-^)
写真3枚目…熟女な保護犬まつり
小首をかしげる癖が可愛いです♪