6年前、出逢った頃のユウヒはトラウマだらけで首輪、棒、ダンボール箱を見ると狂ったように鳴き叫び
車に乗ると半年間は立ったままガタガタ震えていました
2年くらい過ぎた頃でしょうか
ユウヒは行方不明になった犬の臭いをたどって探したり
しおんの子たちをまとめてくれるようになりました
16キロと大きな方ではありませんでしたが
不穏な動きをする輩を押さえつけるユウヒは決して相手を噛みませんでした
その頃、乱暴なリオンはよく叱られていたものです
星子が他の犬に咬まれた時は心配そうに寄りそって歩きとても優しい子でした
3年前の3月5日、流れ弾に当たったのか故意なのか
鹿猟のハンターに撃たれたユウヒは3才で命を落とし
血痕から林道上で倒れた後で道路脇にほおり投げられていました
3月11日火葬するまでの7日間、氷らせたペットボトルを日に何度も取り替え
ユウヒに語りかけユウヒの傍で眠りました
その後おそってきた虚無感と絶望感
私と出会わなければユウヒは長生きし幸せに暮らせたのでは……
と思うと保護活動を続ける気力も萎え鹿猟の銃声が聞こえる度に苦しみました
その度にユウヒの命を奪った人を恨みましたがある日ふと思ったのです
ユウヒがなぜ私のところに来たのか、伝えたかったこと、ユウヒの望みは……
誰かを恨むのではなく自分のような犬を救ってほしいと願っているのではないかと思ったのです
ユウヒが居なくなってから3月の声を聞くと
何とはなしに気持ちが下がり時々胸がえぐられるような痛みを感じますが明日が雨でなくて良かったです
明日はユウヒの好きなものとたくさんの花を供え過ごしたいと思います
3月4日 代表*福澤