霧多布湿原の保全活動をしている認定NPO法人霧多布ナショナルトラストの会報に依頼され
浜中町に自生する植物についてエッセイを書いています
日本中にありますが今月はヨシをテーマに書かせて頂きました
『湿原に群生するヨシ。
太古の時代からすべてのものは移り変わってきましたが、ヨシ原を渡る風の音は変わらず、昔の人も聴いたのかなと思いをはせる時があります。
湿原センターの木道終点に大きな木のデッキがありますが、そこに座り目をつぶると、自然の奏でる音が心地よく気持ちが落ち着きます。
春の若葉の頃、緑が盛んな夏、葉枯れの秋、雪に音が吸い込まれ静かな冬
その時々で音色は変わりますが、はるか昔から巡ってきたのだろうなぁと悠久の時を感じます。
2〜3メートルと大きく成長するヨシは、土や水からたくさんのチッソやリンなどを吸い上げて成長しますが、チッソやリンが多くなりすぎた時に生じるアオコの発生などを抑える水質浄化作用があります。
また、密生したヨシは、小魚や昆虫の棲みかにもなり、地下30cm〜2mまでネット状の地下茎を張り巡らせます。
この地下茎が土壌を強化して、波風などによる河川敷の侵食を防いでくれています。
黙ってそこに立ち、人や動物、たくさんの生きものの役に立っているヨシはすごいですね。
ヨシのように誰かの役に立つ人になりたいといつも思います。』
3月7日 代表*福澤
写真2〜6枚目…保護子犬、草介の昨朝の散歩